日本看護・社会・政策学会
第8回日本看護・社会・政策学会学術大会が大阪にてあった。 昨日は日帰りスキーで夜間に帰宅したが、この学会に参加するため、久しぶりに始発のこだまに乗車した。 6:32!
今回のテーマが「救急医療における看護職の役割拡大」 と 「看護の専門性と看護職の可能性」 で興味があったので初めて参加した。
救急領域からは循環動態を安定させる薬剤量の調整、硬膜外カテーテルからの疼痛コントロールする薬剤量の調整、挿管、トリアージ、患者家族への説明、心電図や血液検査オーダ、輸液の開始などが実際に拡大されるとよいと発言があった。 看護の役割拡大でいくのか、先立って医師の指示があることを前提に役割拡大とするのか では議論に大きな違いがある。
看護師が自立して役割を果たしている施設において、医師の包括指示の範囲では、すでに、薬剤量の調整も、疼痛コントロール薬の調整もなされている。 救命救急士が医師がいない場所での挿管・AEDによる電気ショックが許容されたが、病院内においては緊急対応時に看護職ができるようになることは望ましいと思う。
それよりも、患者を生活全般から見る看護職のスキルを生かすには、慢性疾患患者や感染症(インフルエンザなど)患者の内服コントロールの役割拡大が必要だと思う。
こういった現象がある。 インフルエンザを発症して一定時間を経過した後の抗生剤投与は効果がないといわれるが、日本では投薬される場合が多い。 また、良くなると途中で服薬を中断する患者が多いことも示唆されている。 危険なのは、これを繰り返すと、耐性菌 (今までの抗生剤が効かなくなり、菌が強くなること) が生まれることだ。 過去には抗生剤を多用したたため、黄色ブドウ球菌に耐性を持った、耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) が日本で生まれた(耐性菌となった) といわれている。
また、慢性疾患患者の多くは、処方された薬を服薬しきっていないということがある。 家に飲みきらなかった薬が多くある、食事と同じくらいの(手のひら一杯の)量を飲むのは大変だ、病院にせっかく来たのだから、クリスをもらわないと など患者さんの服薬行動をもう少し良くすることが必要だ。
この状態から脱し、必要最小限の投薬で済ますこと、また、適正な抗菌薬の投与を行って耐性菌の出現をできるだけ抑制することが、必要なのではないか。
この現状を 現在の医師が適正にすることが可能かというと難しい。 つまり、いくつかの病院・診療所から診断された病気と処方される薬の把握ができない、 現在の診療時間内で患者さんから服薬状況を得ることはできない、 または 患者への興味の持ち方が看護とは違うため、薬が残っているという事実は把握されにくい、患者さんが残っている薬の事実を端的に伝えることができないなど多用な要因が考えられる。
厚労省は、院外処方 (以前には病院で薬を出していたが、院外薬局の処方へと分離する政策を出した) へと誘導をかけた際、掛かりつけ医院(診療所)と掛かりつけ薬局を持つように国民に働きかけたが、なかなかそのようにはなっていない実情である。
そこで、インフルエンザ外来では医師は必要最小限の抗生剤を処方する。そこに、感染管理看護師をおき、処方された患者には効果的に飲みきる服薬指導を行う。 また、薬を欲しいという希望者には時期が過ぎて効果がないので、別の対処方法を指導するなど説明を補強することである。
看護は患者さんを見る視点が看護モデル(生活モデル)なので、慢性疾患患者には 生活全般からコントロールする指導、及び、薬が余る原因を明らかにして必要なものだけに分ける などの対応策を医師に示し協議することができるのある。
こうすると患者さんは、生活全般をより健康的に送るための情報が提供され、飲む薬が限定され、薬代も少なくてすみ、耐性菌も日本で生み出さなくてすむ。 さらに、医師の3分診療?より、看護師の本人の生活に興味をもった効き方に満足感を覚え、待ち時間も短縮する ・・・のである。 厚労省は医療費抑制につながるのでここに看護外来への診療報酬をつけていくこととなる・・・といいなと思いながら書き綴った。
これを、昨日、特別講演で「看護活動の経済的評価」を語った 日本看護協会の高階恵美子さんに意見してみようと思う。
日時: 2009年02月23日 08:48