Mikatahara Smile ~聖隷三方原病院 看護部ブログ~

総看護部長 吉村浩美の日記

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倫理事例検討会

医療界では、臨牀倫理はとても大切である。 個々に起こっている倫理的ジレンマの内容は違い、その判断も違ってくる。その結果は医療・看護実践にも影響するものだ。

科学が進歩しただだけでなく、脳死の判断など社会的要素によっても、臨牀現場は多くの倫理的ジレンマが存在している。 この倫理的ジレンマをそのままにして看護職を続けることができるか?? 否である。

特に、看護職を選ばれる方は倫理感が強いと思っている。 例えば、『患者さんにとって本当にこの治療は意味があるか?』  『よいことか?』 『病気を伝えずに死を迎えることになりそうだが、この方の人生にとって知らないでいることはよいことか?』 などと自然と思考する。 この自然な思考過程は、倫理原則の5つ『善行の原則、無害の原則、正義の原則、自律の原則、忠誠の原則』に当てはめられる。

そういった意味で倫理観が強い看護職が倫理的ジレンマを抱えたまま患者さんに向かっていると、精神的にとても消耗するものである。 個々に対して、よりよい医療・看護を提供したい という姿勢に相反するからである。

そこに、ひとつづつでも事例検討を繰り返し解決の糸口をともに見つけること、この積み上げこそが大事であると思い事例検討を推奨し、倫理委員会を設立したわけである。

倫理事例検討会は職場ごとで行ってきたが、2008年度からは看護部倫理委員会も開催している。

事例検討では、内包している倫理的ジレンマを明らかにすることからはじめる。 テーマはどのようなことでもよい。対立軸が鮮明になったあとは、倫理原則にそって互いにどのような価値観を持っているか確認し、した場合、しなかった場合のメリットとデメリットを検討し、最終で倫理調整を行っていく。 

倫理調整はメリットをより大きく、デメリットを細小にするように調整するわけだ。

以下が以前検討してきたテーマである。

「救命処置をしないと意思を確認された患者における褥創治療に関する方針」

「難しいストーマ管理を必要とする患者の退院調整に関連した倫理的ジレンマ」

「蘇生しない意思確認されたがん終末期患者に救急外来で心肺蘇生された例」 

「全身状態の悪化が見られる患者のケアに関して主治医と担当看護師の方針との間で起こったジレンマ」 

「末期がんで患者に告知すべきであると思う看護師と告知を拒む妻との間で生じた倫理的ジレンマ」 

「化学療法の効果があるが経済的理由で治療中止を希望した場合の倫理的判断」

内容はシビアだが、かた~く考えず自由な意見を述べる場として写真のような雰囲気で行っている。20名前後で行うとほとんどの方に発言してもらえ、共通認識に至りやすい。

いつもは佐久間課長が司会をしながら倫理調整を行っていくが、先だって中安課長が司会と調整を行った。 このように課長が司会とともに倫理調整ができるように力量をつけていくこと、これが職場に広げるために重要だろう。

今後、順次多くの課長に倫理調整の司会を行っていただこう。 ちなみに 吉村は7月15日課長会での倫理委員会による 事例検討会の司会および倫理調整を行った。 

気軽に誰でも この事例検討会に参加いただきたいと思っている。

次回は9月10日 17:30~19:00 小会議室で開催する。

 

 

 

 

日時: 2009年07月27日 07:49

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