Mikatahara Smile ~聖隷三方原病院 看護部ブログ~

総看護部長 吉村浩美の日記

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2009年度看護部総括

  例年、看護部ワークショップにむけてお正月休みを利用して部門目標を評価し、総括を書く。 今年は質評価指標が1/20の課長会で最終報告を行ったため、その実績を待って昨日まとめた。多少 年度末になると数字が変わるものもあるがご紹介する。

  2008年、アメリカ合衆国にチェンジを掲げ黒人初のオバマ大統領が誕生したが、2009年には日本において54年続いた自由民主党政権(1955-2009)から民主党へと政権交代が起こった。 政治や社会の仕組みが変化を柔軟に受け止める余地がなくなり、新たな変革を求めて代わりつつある。 医療政策も医療費抑制は一旦止まったものの診療報酬会低率+0.19%と低値で病院経営の舵取りも難しい時代だと感じるが、外部環境に合わせChange=変革を起こそう。 

 今年は院内で食中毒があり職員をはじめ関連施設からの応援も得て入院患者さんに無事食事提供がなされた。聖隷福祉事業団の協力体制に感謝したい。 後半は新型インフルエンザの流行により対応策に終始した。 東海沖地震かと思わせる震度5(後に3?とか)の地震があり、公用車は倒木により大破したが病院内部では物品破損もなく患者さんも職員も無事であった。 また、自然には逆らえないもので強い台風によって学校が休校となり取り急ぎ聖隷おおぞら療育センター内で臨時保育所&学童対策を行ったことも思い出である。

 さて、5年に渡った病院建築は、この3月手術室4室と放射線治療棟の完成で終了し、療養環境が整備され、急性期医療が充実する。 来年からは聖隷おおぞら療育センター50床増床に向けて新たな建築が始まる。 看護の経済性では、病床利用率が2年続き低下したため人材確保を基盤に効果的な配置を行った。看護職定着促進やワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現に向けて、ワークシェア制度は職場の協力体制のもとテスト導入され活用された。 専門職としてうれしいことに 3月に開設した助産所たんぽぽでは100例のお産があり、ポスピス・救命救急センター・ドクターヘリ・摂食嚥下や緩和ケアなどチーム医療とともに当院の広告塔となった。看護の質評価指標も多くの議論を経て生み出され、初データを紹介できるまでとなった。 看護実践の保証となるクルニカル・ラダー (看護実践能力習得段階) レベルⅢ以上の認定者は91名(12%)であり、役割者は率先して来年までに実力を実証してほしいと考える。

 最後に、診療部の人材確保は臨床研修医を含めて大きな問題であり、病院を上げて医師の確保定着に対策が必要である。 3月に臨床研修センターを設立し良質な研修病院となるため現場での関与をお願いしたい。 今年も皆さんのご協力によって多くの課題を達成できたことに感謝したい。 

*臨床研修制度2004年プライマリケアを中心とした幅広い診察能力の習得を目的として2年間の臨床研修を義務化した。

部門目標

1. キャリアデザインを描き自立した人材の育成    教育プログラムは28研修、延べ参加者1337名であった。新たに新人看護師教育担当者研修と「意思決定の支援をリーダーが支援」するスキル獲得を取り入れた。新人教育には“私の看護を言語化しよう”プログラムを取り入れ、新卒看護師教育係長(半年間専従)を置き職場支援を行ったが、新卒看護師3名の離職があった。クリニカル・ラダー評価はレベルⅢ・Ⅳに32名が申請した。専門領域ではがん専門看護師2名誕生し、脳卒中リハビリテーション看護の受講が決定した。

2.看護倫理を規範としマニュアルを遵守した安全強化    注射IAにおいてプロセスの分析を行った結果、思い込み確認不足マニュアルで予防できるものは23%であり、指示受けから申し送り、実施後の観察等対策を看護方式委員会と連携した。せん妄フローチャートを導入し3ヶ月評価ではDSTの使用対象は変更せず、看護計画に連動するよう周知をした。リスクの高いIAに対して改善フォローアップは5件に行い、突発的な食中毒と新型インフルエンザに対応し職員啓発を行った。標準予防策モニタリングは67.8%であり毎年教育と啓発を続けていく必要があった。接遇モニタリングは定期で実施し接遇モデルを選抜し表彰した。倫理事例検討会を6回開催し、看護研究の倫理審査を今年から始めた。また、課長会で倫理に関係するガイドラインを検討できた。

3.標準的看護の確立と実践     退院調整システムはPJが中心に構築し、職場ごとステップは上がっている。2010年までPJは継続とした。職場看護基準に連動した教育プログラムを確認し9職場は終了し残りも3月までに順次追加予定である。看護の質評価指標はアウトカム指標・ケアの過程指標・ケアの構造指標の枠組みをもち初データとして示された。担当看護師割付率、情報提供率、IC前後の記録、計画の情報提供率などデータで微増を確認できたが目標達成に至らなかった。患者の意思決定支援研修36名、倫理研修38名が参加した。実践が記録に反映され看護の質を保証し可視化につながるとよい。職務満足度調査は先行病院と単純比較ができないが平均的な値であった。看護師相互の影響・職業地位は満足度が高く、看護業務・給与・看護管理は低かった。NWI-R(看護環境調査)を実施した。1日3回苦痛STAS入力率58.1%、外来化学療法室での苦痛STAS使用率61.5%、疼痛に対する介入率49%であった。質評価指標のデータは今後ベンチマークが必要である。

4.職務満足の向上をはかる     ワークシェアテスト導入し16名・育児短時間は20名が利用した。WLB指標のデータ化により超過勤務の減少に取組み多くの職場が軽減したが年間超勤時間は多少伸びた。次年度の育児介護中の方の業務制限などの法制化(夜勤免除規定や超過勤務の減少)に対応するため、夜勤専従など新たな制度を考案する必要がある。 新入職員の離職が4名あったが離職率は11%以下の目標は達成した。メンタルヘルス対応は14名であった。 看護方式評価から見ると役割充実感は多少向上した。有給休暇を基礎日数20日で換算すると消化率は2008年11月56%、2009年11月現在で60%であった。

5.病院施策へ参画する                                                ①採用が順調で病床利用率は90.8%から12月現在88.8%と減少したため、病床編成・看護必要度・利用率・入退院など考慮し院内ICUに15名、おおぞら療育センター13名増員し特定加算や入院基本料で病院経営にも貢献した。 ②助産所たんぽぽは100件の分娩があり取材・見学・研修を引き受けた。 ③手術室4室増室し手術部門システム導入の準備と効率的利用に向かって準備を行った。 ④病院情報システム更新に伴い意見抽出した。 ⑤地域連携CFを中心にネットワークを作り、地域の看護師へ緩和ケアを普及した。 ⑥地域連携クリティカルパスは部分的に作成されたが活用までは至らなかった。 ⑦8月より敷地内禁煙を徹底した。 ⑧リハビリ付加機能評価項目に基づき準備し2009.3受審 認定された。

日時: 2010年01月21日 22:09

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